HISTORY

東京湾に浮かぶ小さな島で
誕生したブルワリー

かつては倉庫街でありながら、水と緑に囲まれ、品川駅から徒歩圏内という立地の良さを活かしビジネス地区として発展した天王洲アイル。東京湾に浮かぶこの小さな島で築50年近い倉庫を改装し、1997年にT.Y.HARBOR BREWERYは誕生しました。

天王洲の歴史は古く、元々は旧東海道・品川宿沖に土砂が堆積してできた小さな洲でした。1751年(宝暦元)に付近の海中から牛頭(ごず)天王のお面が引き上げられたことから天王洲と名付けられ、黒船来航後に第四台場として整備されたのち、大正から昭和にかけて埋め立てられて今の姿になりました。そんな歴史を持つこの島に寺田倉庫の創業者・寺田保之助が土地を買い、空襲で焼けた工場の鉄骨で倉庫を建てたのは戦後まもない1951年のこと。

やがて時が過ぎ天王洲がウォーターフロントの先駆けとして開発されるなか、会社を継いだ保之助の長男・保信は、幸運にもバブル崩壊によって取り壊しを免れた倉庫を人が集まる場所にしようと決心します。1994年の酒税法改定後、地ビールブーム立ち上がりつつあった当時、アメリカで体験したクラフトビールの美味しさを東京で伝えるべく、社内公募で自ら手を挙げた若手スタッフとともに自分たちの手でゼロからビールをづくりを始めたのです。

夢を持ってビールの世界に飛び込んだそのスタッフは、今もブルーマスター(醸造責任者)として若きブルワーたちを束ねながらビール醸造を行っています。東京で一番長い歴史を持つ独立系のクラフトビール醸造所であるT.Y.HARBOR BREWERY。様々な人たちの思いが詰まったこの場所で、私たちはこれからも東京が誇れるビールをつくり続けます。